第三章「日本が登場した世界」を要約しての感想 | ひとときのときのひと

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広告業界で鍛えたから、読み応えのある文が書ける。
外資系で英語を再開し、アラカンでも英検1級1発合格。
警備業界にいたから、この国の安全について語りたい。

そんな人間が、ためになる言葉を発信します。
だいたい毎日。



まずは英語から。

 日本研究の第一人者であるケネス・B・パイル氏。同氏の未邦訳「Japan Rising」の第三章「日本が登場した世界」の要約しました。

 

(未読の方は↓ご一読願います)

 以下、感じたところを共有したいと思います。

 

1.サムライ外交の伝統

 「日本の外交姿勢は、封建時代に錬成されそれは今の時代にも、死に絶えず生き続けている」

 

 そう著者パイル氏は、このひとつ前の章で強調していましたが、この章にも早速その例が出てきました。

 

 日本が富国強兵、特に強兵をはかったのは、明治の指導者(元勲)が岩倉外交使節で欧米をつぶさに観察したところにも起因しているが、そもそもかれらは武士であったからなのだ、と。

 

 確かに西郷隆盛ほどには、最前線に立つことなく血なまぐさい戦いを経験していないものの、大久保利通から伊藤博文に至るまで、志士は皆、軍事というものを肌で知っていたのでした。

 

 戦後の新たなる国づくりにおいて、その中心に武人(軍人)が一人もいなかったことの意味を今一度よく考えてみる必要があるのではないでしょうか。

 

 日本は「ジャイアン」のように見るからにわんぱくではないものの、かといって本質的に「のび太」のように「よわっちく」ありません。やれエネルギーを外国に依存しているとか、やれ経済大国から既に滑り落ちているとか、といったマイナス要素を数え上げても、これだけの人口が有し、米ドル、ユーロに次いで自国通貨(円)が世界通貨量の約1割を占めているような国は他にありません。

 

2.元勲の英語吸収力

 この本を読書の対象としてなぜ選んだのか。もちろん上述の謎解きが大きな理由ではあります。

 

 もうひとつは、英検1級1発合格した自分であれば、このくらい大部(約500頁)であろうと、そこそこサクッと読み切れて当たり前だろうとの思いからでした。

 

 しかし、そこまで簡単ではなく恐る恐るというと大げさですが、慎重に読み込んではいます。

 

 そんなとき、TOEICだの英検はおろか、Listening教材もないにもかかわらず、英語スキルを一気に吸収し、実務に活用した元勲やその部下たちのたくましさを感じずにはいられません。

 

 いや、TOEICだの英検だのの点数、級の獲得にあくせくするばかりで、せっかくのそのスキルを利他的に使おうとしない、しないとまでは言わないまでも、乏しい風潮を非常に恥ずかしく思います。