終末期ケア(1401)ー2 "終末期対応の実際 死因がわからなければ「解剖」になることも" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



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 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星いつもと違う高齢者をみたら


❶終末期対応の実際

 死因がわからなければ
   「解剖」になることも

・看取りの手引きとしては、すぐれた資料が
 あります。

・たとえば、
 「2015年の高齢者介護〜高齢者の尊厳を
  支えるケアの確立に向けて〜」
             (厚生労働省、2015年)
 「特別養護老人ホームにおける看取り介護
  ガイドライン」
             (三菱総合研究所、2007年)
 「看取りに関する手引き(在宅および高齢者
  施設等における看取り)」
    (村山保健所、山形在宅ケア研究会)
 などです。

・その一方で、ある人の終末期のケア方針が
 「看取り」と決まっていても、実際には
 看取られないケースが多くあります。

・「状態がおかしかったので救急車で病院に
 搬送した」とする例が代表です。

・終末期では、多くの臓器が「機能停止」の
 方向に傾きはじめます。

・ですから状態に変化が起こるのは当然です。

・そのタイミングで検査をすれば必ず「異常」
 が出てきます。

・そのため、受け入れた病院の医師たちは
 異常な部分を立て直そうと努力します。

・これはもう寿命だ、治療は無理だろうと
 思って家族に説明しても「できることは
 何でもしてください」と頭を下げられれば
 「治療」せざる得ないといったこともある
 のです。

・対応された結果はさまざまで、
 運よく施設に戻れる例から、療養型病院に
 転院となる例まであります。

・転院となる人のなかには延命治療を施され
 る例も少なくありません。
 身体に管がたくさんついた「スパゲッティ
 症候群」と称される状態がそうです。





・それ以上に多いのは、入院後ほどなくして 
 死亡され解剖にまわる例です。

「死因がわからないので解剖する」と告げら
 れた家族は、一瞬耳を疑います。
 「主治医がいたのに、なぜ死因がわからない
 のか」との思いがあるでしょうし、「歳を
 とっているのに解剖が必要があるのか」と
 理不尽さを抱きます。

・しかし、医師側にも事情があります。
 死亡診断書には死因を書く欄があるのですが
 救急車のなかで亡くなったり、搬送されて
 すぐに亡くなった例は死因がわかりません。
 不審死とみなされることもあります。

・そのため、死亡診断書や死体検案書を書く
 ために医師は解剖することがあるのです。









参考資料

  いつもと違う高齢者をみたら
  在宅・介護施設での判断と対応
           荒井千明著

   次回は、
    「いつもとちがう」に出合ったとき
     "終末期対応の実際
      病院に向けた意思確認書は
       3つに分けて用意しよう"
      
             について


 ご感想、ご意見、ご質問、
 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。