終末期ケア(827)-2 "排泄のケア" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。





うさぎ投稿がうまくできないので、
    2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ



⭐️エンドオブライフ・ケアの
           実際

1)各症状に対する
    安楽を図るケア

❶排泄のケア

◉尿量低下と頻尿に対するケア

・エンド期になると食事や水分摂取量が低下
 し、尿量は減少します。

・それに伴う尿路感染症や頻尿、尿失禁が発生
 します。

尿の臭いや混濁や色を確認して、尿路感染の
 早期発見を行います。

尿路感染症では排尿痛や尿失禁が伴いやすく
 なります。



日中8回以上の排尿を頻尿といい、

 夜間に排尿のために1回以上起きなければ

 ならないときを夜間頻尿といいます。




・頻尿の原因は過活動膀胱のことが多く

 あります。


※過活動膀胱とは、

・突然トイレに行きたくなり我慢するのが

 難しい、日中や夜中に何度もトイレに行く、

 トイレまで我慢できずに漏らしてしまうなど

 排尿に関わる症状が現れることをいいます。


急な尿意に備えて尿失禁対応型布パンツや

 尿器、尿パッドを用意しておくことが必要と

 なります。






◉失禁に対するケア



・エンド期の方は寝たきりによる筋力低下や

 男性であれば前立腺肥大症など、なんらかの

 尿失禁も持っていることが多くあります。


・失禁しないようにトイレに近い場所での療養

 もしもに備えて尿器、ポータブルトイレ、

 尿失禁対応型布パンツ、尿パッド、オムツ

 などの物品を用意しておきます。

 


◉乏尿・無尿・尿閉
      に対するケア







◉下痢と便秘に対するケア

・エンド期になると消化能力が低下し下痢を
 起こすことがあります。

・この場合、消化液により臀部の発赤やただれ
 がおきるので、臀部の洗浄を行います。

・タオルで擦るのではなくガーゼなどで
 やさしくおさえるように拭き、弱酸性の泡で
 洗浄するといいでしょう。





洗い方


 
・水分補給の際には、果汁入りは下痢を誘発
 するので控えます。

・下痢の場合は軟便用のパットが市販されて
 おり、吸収力に優れているのでそれを使用
 する方法もあります。





エンド期は、モルヒネ等の鎮痛薬の副作用
 寝たきり、腹圧がかけることが困難になり
 ます。

・便秘は大きく器質性便秘(がんなど大腸直腸
 肛門疾患)と機能性便秘に分けられます。

・機能性便秘には、腸の動きが緩い弛緩性便秘
 ストレスなどで下痢便秘を繰り返す痙攣性
 便秘、直腸に便が溜まり排出できない直腸性
 便秘があります。


・器質性便秘への対応は、医師の指示に従い

 ます。


弛緩性便秘は一般の高齢者にも多く、

 できるだけ身体を動かし、腹部を「の」の字

 にマッサージして、腸の蠕動を促します。


・直腸性便秘には摘便を行うこともあります。


痙攣性便秘にはリラクゼーションが有効

 です。





・下剤は効きすぎると下痢を起こし体力を奪う
 ので注意し、エンド期における下剤は
 そのときの状態により、微量に調整を行い
 ます。

臨死に近づくとご本人の意識は混濁し
 便失禁がみられるようになることがあり
 ます。

・ケアでは、量に応じたパットを使いこまめに
 取り替えるようにします。
 ただれ予防のために臀部は微温湯で洗浄し、
 やさしく拭き取るようにします。





参考資料
排泄ケアナビ
高齢者のエンド・オブ・ライフケア
"死を見据えた日常生活のケア"
                              出版:中央法規
 
  
   次回は、

     在宅における
      エンドオブライフ・ケア
            に用いる薬剤
     
   "がんの痛みに対して用いる
          頻度の高い薬剤"
           
               について
          
                        一緒にお勉強しましょう ニコニコ


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