メダルの紐- | 新・坊主日記

新・坊主日記

2007年2月22日からブラジルの、サンパウロ別院でお仕事をする事になりました。
日本とは場所も言葉も文化も違うところですが、人間が喜怒哀楽の中で生きているのは同じです。
沢山の人たちに出会って共に学び合いたい!
坊主日記、2014年からはマリリア編に突入!

 以前、紐を作っているお宅にお参りする機会がありました。家に入ると工場が隣接してあるので、機械の音が聞こえます。

お勤めの後部屋に案内され、お茶をいただきました。棚には幾つもの裁断前の紐が直径20~30センチ程のロールになって無造作に置かれています。とてもカラフルな柄で一つとして同じものはありません。

 「これが裁断前の紐なんですね」と尋ねると、これは以前作ったものの余りで、サンプルとして置いてあるとの答えでした。そしてご主人は、「この紐は長野の冬季オリンピック のメダルに使われた紐」とさりげなく指差しました。「なぬ~!」と驚いていると「これは~国体での、これは~競技会での・・・」と次々と説明してくださいます。話しによると、メダルのひもはすべて特注なので、少量を作るのは難しく、技術もいる。そのメダルの紐の製造を請け負っているのは全国でなのだそうです!

 そう、オリンピックから地域の運動会までメダルの紐(特注)を作っているのは石川県小松市長田町のとある小さな町工場なのだ。
  メダル2
工場の主人は言った
「数をこなさないとやっていけない上に、繊細な技術がいる。機械を回しとけばいいというもんじゃない。職人技が要求されるのです」(ちょっと誇らしげに)


「凄いですね。息子さんがこの全国で一つしか無いこの貴重な工場を継ぐのですか?」

奥さんは首を振った。
「婿養子さんやし、継ぐ気持ちもないようだし、(大変な仕事だから)継いでもらう気持ちもないです」

主人は遠くを見た。
「昔はうちのような工場がいくつもあったが、ぽつぽつと廃業してしまい、今ではうちしか残っていない。そしてもう後を継ぐものはいないので、私の代でこの工場も終わりだろう。」


「メダルの紐はどうなってしまうのでしょうか?」

主人
「さあ~・・・」

・・・みんな泣いた(心の中で)。

エンディング曲「ヘッドライト・テールライト」by中島みゆき

ちなみに、東本願寺 の上山奉仕団で活躍された人に贈られる、記念メダルの紐もこの工場で作られている。

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