【揺花草子。】[#4545] ジャンプ。 | Meister's Brief

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【揺花草子。】[#4545] ジャンプ。

Bさん「今日は7月7日ですが七夕ではありません。」
Aさん「んん・・・いや、まあ・・・我々的にはそうかも知れないけど・・・。」
Cさん「とは言え全国の多くの地域においては今日は七夕ね。」
Aさん「でしょうさ。」
Bさん「七夕って言うのは織姫と彦星が
    年にいっぺんだけ逢う事ができる日だよね。」
Aさん「ん、そうなるね。」
Cさん「でも地域によってそれは7月だったり8月だったりするわけよね。
    これはどう解釈すれば良いのかしら。」
Aさん「どう・・・とは?」
Bさん「つまり、ある地域においては織姫と彦星の逢瀬は7月に観測される一方、
    別のある地域によっては8月に観測されると言う事だ。」
Aさん「観測と言う言い方。」
Cさん「そう考えると実は織姫と彦星は7月と8月の年2回
    人知れず逢瀬を重ねていると言う事じゃないかしら?」
Aさん「いやそうはならないでしょ?
    だとしたら年2回観測される事だってあり得ますよ?」
Bさん「その通り。
    どの地域においても、織姫と彦星の逢瀬は年1回。
    であるにもかかわらず、そのタイミングが
    7月の地域と8月の地域とが存在するわけだ。」
Aさん「んん・・・いや・・・。」
Bさん「これは言うなれば逢瀬が7月に行われる世界線と
    8月に行われる世界線とが平行して存在していて、
    本来は近くできないはずの両者がこの1ヶ月の間だけ
    微妙に交錯していると言う事じゃないのかな。」
Aさん「何その解釈?
    と言うか交錯するなら平行ではないんではないかな?」
Cさん「そこは時空のねじれ的なアレの影響よ。
    まっすぐ進んでいると思ったら曲がってたみたいな。」
Aさん「えぇー・・・。」
Bさん「さらに言えば、例えば七夕が7月に行われる地域で7月を過ごし、
    8月アタマに七夕が8月に行われる地域に引っ越す。
    これによって七夕を年2回実施する事が可能になると言う事だ。」
Aさん「それは・・・そうだけど、それはあんまり並行世界とか関係ないね?
    単に住む土地を変えるってだけだもんね?」
Cさん「阿部さんは分かってないわ。
    七夕の大きな目的のひとつに、短冊に願いを掛けると言うものが
    あるじゃない。」
Aさん「ん、あぁ・・・。
    え、何ですか、つまり7月に七夕をやって
    そのあと引っ越してまた七夕をやれば、
    年に2回願いを叶える事ができるとかそう言う事ですか?」
Bさん「そう言う事だよ。
    『8億円欲しい』を年に2回叶える事ができれば
    1年で16億円の荒稼ぎだよ。」
Aさん「何でそんな鶴乃ちゃんみたいな願いを?
    と言うかそんな願いしても叶わなくない?
    それを叶えられるのは対価として魂を差し出し
    魔法少女としての苛烈な運命を受け容れる決意をした場合だけじゃない?」
Cさん「そう言うリスクを全く説明しないで契約を迫るところが
    クズだっていう話なんだけどね。」
Aさん「キュゥべえに対する激しい憎悪。」
Bさん「ま、話を戻して、
    7月が七夕の世界線と8月が七夕の世界線があるって話。」
Aさん「んん・・・。」

Bさん「この勢いで9月や10月、11月・・・と探していけば
    年中七夕を過ごせそうな気がするんだ。」
Aさん「世界線の移動が手軽すぎない?」

 そんな世界線ありますかね?