【揺花草子。】[#4507] 首ったけ。 | Meister's Brief

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【揺花草子。】[#4507] 首ったけ。

Bさん「昨日はロミジュリの影の主役とも言われる『木G』は、
    実はロミオに迫る魔物の群れの1体だったのではないかと言う
    斬新な解釈をして見せたよ。」
Aさん「斬新と言うか突拍子もないって感じだよ?
    ロミオが魔物に襲われる場面なんて作中ないだろ?」
Cさん「それは演出次第じゃない。
    ロミオとパリスが争うシーンでパリスが魔物をけしかけるとか、
    キャピュレット父が甥ティボルトを殺した憎きロミオを
    抹殺するために館の周辺に魔物を配置した可能性だって
    あり得るわけじゃない。」
Aさん「えぇー・・・あり得ますか・・・?」
Bさん「ともかく、書割なり大道具なりで良かったはずの木に
    わざわざ役を付けたと言う事にはそれなりの意味があるはずだと
    言うのが我々の考えです。
    今日はさらに違うアイデアを披露したい。」
Aさん「んん。」
Cさん「実際のところロミオとジュリエットが会話をする場面って
    作中そんなに多いわけじゃないのよね。
    有名な『あなたはどうしてロミオなの』は2幕2場、
    朝チュンシーンは3幕5場だけど、それ以外は短い会話だったり、
    ジュリエットが仮死状態で会話できない状態だったりとか
    そう言う感じだからね。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「2幕2場のシーンでは、ロミオは庭から
    ジュリエットの部屋のバルコニーを見上げて会話をする形。
    直接ジュリエットの部屋に侵入しての会話ではないわけ。」
Aさん「侵入とか言うんじゃないよ。」
Cさん「でも3幕では周りの目を盗んでうまい事ジュリエットの部屋への
    侵入に成功するわ。
    阿部さん的にも参考にしたいところよね。」
Aさん「ぼく的にもってどう言う事です?」
Bさん「で、ぼくは、これに木Gが1枚噛んでいるのではないかと
    想像している。」
Aさん「んん?」
Cさん「舞台演出的な文脈で言うと、ジュリエットの部屋は
    だいたい2階にあるとされているものが多いと思うの。
    つまり地階じゃないから、高さを克服しなければ
    ジュリエットの部屋には辿り着けない。」
Aさん「んん、まぁ。」
Bさん「高さを乗り越えるための何らかの手段が必要だと言う事だよね。
    脚立だったり、梯子だったり、かぎ縄だったり、浮遊魔法だったり。」
Aさん「脚立や梯子やかぎ縄はともかく浮遊魔法は世界観違くない?
    いやかぎ縄もけっこうギリギリだけど。」
Cさん「私たちはここで、木Gを足場にしたのではないかと考えているのよ。」
Aさん「んん、なるほど。
    木によじ登って、枝からバルコニーに飛び移ったと、
    そう言うわけですか。」
Bさん「そう言う事だね。
    つまり本来のムギちゃんの脚本演出では、
    唯ちゃんがロ澪を片手で持ち上げてジュ律エットの待つバルコニーに
    押し上げると言う内容だった。
    だから役を割り当てなきゃいけなかったと言うわけだよ。」
Aさん「んん・・・おぉ・・・?
    でも確か澪はセットの裏に隠された脚立でバルコニーに上がってたよね?」
Cさん「その通りよ。
    唯ちゃんの細腕で女子としては大きめの澪を持ち上げるのは
    ちょっと無理があったと言うわけね。」
Aさん「でしょうさ。」

Bさん「『ギタリストだから手は大事にしたい』
    みたいな反論をしたんじゃないかと思うよ。」
Aさん「唯そんな事言いますか?」

 そこらへん割と無頓着なイメージはあります。