受刑者がどのような姿勢や考え方を持って
受刑生活を送っていても、実際は中身は
関係なく、刑務所側に対し物を言うか
言わないかだけで恣意的な評価を付けられる。
特に俺のような受刑者に対しては、
「石元のことは出所するまで干し続けてやる」
といったある意味で気概みたいなものさえ
刑務所側からはひしひしと感じる。
そこで、月に一度だけある矯正指導日の
感想文を書く機会にこのような内容の感想文を
書かせてもらった。
「今現在私が行なっている国家賠償請求を
通じて、先日私の刑務所内における評価に
関する資料が新たに証拠開示されました。
私はそれを見て衝撃を受けました。
私は横浜刑務所に入所して以来、
再審請求のこと以外に職員の方から
聞かれたことは、まだ入所してすぐの頃にある
幹部職員の方から目の前で小指を立てられ、
「石元、こっち（女性）の方はどうなんだ？」
と尋ねられたことくらいです。
それ以外、例えば「事件そのものに対しては
どう考えているんだ？」や、
「出所後の生活設計は？」などといったことは
一度も聞かれたことがありません。
ただの一度もです。
それなのにも関わらず、
なぜ私がそういったことをちゃんと
考えているか考えていないかを、
刑務所側は判断することが出来るので
しょうか？
私には不思議で仕方ありません。
私は拘置所にいた頃から現在まで事件の
被害者の命日には必ず焼香をさせて
いただいています。
その時、私が何を考えているのか、
どういった気持ちで仏前で手を合わせて
いるか、わかりますでしょうか？
また私は、入所してから一度も
夜の８時前に布団を敷いたことはありません。
勉強や読書などに少しでも励みたいからです。
それも全て出所後のことを考えてのことです。
もちろん、この”一般改善指導感想文”も
一度だって手を抜いて書いたことは
ありません。
私は性犯罪でも薬物事犯でもなければ、
暴力団組員でもない為、教育することがないと
以前説明を受けました。
資格取得やクラブ活動についても
以前教育部門の幹部職員の方から、
「刑期の長い人はどうしても後回しになって
しまう」と言われたので、
「同じ工場の受刑者で、私と同じように刑期が
長い方でも資格を取得させてもらったり、
クラブ活動に参加させてもらっている方も
いますが…」と私が言葉を返すと、
「工場のオヤジ（担当刑務官）の力次第」と
いう説明を受けました。
おわかりいただけると思いますが、
そんなのも非常におかしな説明です。
確かに不適切な教育まで受けたいとは
思いませんが、もし本当に過去の評価通り
私の考えに至らないところ、間違った考え方を
しているところがあるならば、
その都度指摘し、正しく私のことを導いて
ほしいです。
人の命と同じで、無期囚ではない私の刑期も
有限です。
もう残された刑期も大分短くなってきました。
今のまま何も言わず悪い評価だけを与え、
陰で「この受刑者はおかしな考え方を
している」と言って放置したままにするのは
いくら何でもひど過ぎますし、受刑者を
更生へと導かなければならない刑務所側の
姿勢としてはどうなのでしょうか。
どうかお願いだから私達受刑者のことを
正しい方向へと導いて下さい。
４９.１％という高止まりしている再犯率を
改善する為にも」
追伸
そもそもの問題は、受刑者に付けた評価、
成績を本人に告知しないことが問題。
少年院では毎月必ず成績の告知があり、
何がよくて何が悪かったのか担任の職員から
説明がある。
そして担任の職員と二人三脚で
改善・更生を目指すんだ。
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