やっと一つ良い報告をすることが出来る… | 石元太一のブログ

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「実話ナックルズ3月号」に掲載された

 

俺の手記の方を読んでくれた方は

 

もう知っていることかと思うが、

 

先日ついに新たな証拠が再審請求を通じて

 

検察から開示された。  

 

こちら側が一番に求めていた帰宅時に

 

俺が乗車したタクシーの

 

ドライブレコーダーに関しては

 

「ない」と言って袖にされてしまったが、

 

事件現場となった、ロアビル付近の

 

防犯カメラの映像に関してはついに日の目を

 

見ることとなった。

 

本当に嬉しく、友人達や弁護団の先生方とも

 

喜び合った。

 

この一歩はどんなに控えめに言っても大きい。

 

とても大きいと思う。

 

なぜなら今回開示された映像によって、

 

検察が裁判員裁判時に繰り返し主張していた

 

「アルファードの中にあなたが乗車していると

 

いうのは防犯ビデオに撮られているんですけど

 

8秒ぐらいで出てきているんですが、さっきも

 

言ってたようにね」

 

という言葉が全くのでたらめだったというのが

 

わかったからだ。

 

(その映像を公開出来れば読者の方達にも

 

わかりやすいと思うのだが、なぜか検察が公開

 

してはならないという縛りを付けてきたので、

 

残念ながらそれが出来ない)

 

なぜ検察が防犯カメラの映像を証拠として

 

提出せず、静止画のみでそういった主張を

 

繰り返したのかというと、今回の事件で

 

使用された金属バットがそのアルファード内に

 

積んであり、8秒間乗車すればそれを目視

 

出来るのではと考えたからだろう。

 

だが、逆を返せば、それは8秒以下の秒数では

 

金属バットの目視は“不可能”と検察が認めた

 

ことの裏返しでもある。

 

でなければ、裁判官や裁判員の前で嘘までつく

 

というリスクは取らなかったはず。

 

この防犯カメラの映像を見れば、

 

きっと裁判官らも同じ考え、

 

答えに着地することだろう。

 

 

それにしても、なぜ今回検察がすんなり

 

防犯カメラの映像を開示してくれたのか。

 

昔、元検察官の市川寛弁護士が講演で、

 

検察幹部の中にも無罪になったら

 

無罪になったでいいではないかという度量の

 

ある人がいるといったことを話していたが、

 

たまたま偶然にも今回の俺の再審請求を

 

担当した検察官の中にもそういった方が

 

いたのか…。

 

それとも、「再審請求でこの防犯カメラの

 

映像を出したところで、時すでに遅し。

 

結果は変わらないだろう」と高をくくって

 

出してきたのか…。

 

(「続・反証」内に捜査本部の刑事達との

 

衝撃的なやり取りについて記したが、

 

その詳しい内容を書いたジャーナリストの

 

寺澤有さん宛てと弁護士宛ての当時の手紙の

 

コピーを今回再審請求書と共に一緒に

 

裁判所に提出していたので、検察も「ここは

 

ハッキリとした態度を示しておかないと」と

 

考えた可能性も捨てきれない)前者であれば

 

面子に拘らない、そういった事件一つひとつと

 

真摯に向き合ってくれる検察官の存在は

 

ただただ有り難い限り。

 

感謝したい。だが、もし後者であるなら…

 

それは許せないことだ。

 

それでは「再審請求をされるまでは、

 

検察に不利な証拠は隠しておけ」

 

と、“隠した者勝ち”になってしまう。

 

実際、「もしこの防犯カメラを裁判員らが

 

通しで見ていたら…」

 

「あの高裁の裁判官らでも今と同じ判断を

 

しただろうか…」と思わずにはいられない。

 

一部分だけではなく、

 

“通し”で見てさえいれば、

 

きっと今と同じ結果にはなっていなかった

 

はずだからだ。

 

 

まぁ何はともあれ、今は素直にこの新たな

 

証拠が開示されたことを喜びたい。

 

そして、その流れをつくってくれた裁判所に

 

深く感謝したい。

 

 

 追伸

 

 今回検察がこの防犯カメラの映像を

 

開示するにあたって、かつて「ない」と

 

とぼけていたことについては

 

一切触れてこなかった。

 

 その検察がとぼけていたことに関して、

 

「反証」内で触れているので抜粋しよう。

 

 

 しかし、今回の裁判ではその映像は

 

開示されず、俺がアルファードの横で

 

立っている写真のみが開示された。

 

今回の裁判員裁判が終了後、

 

裁判長の呼びかけで裁判官、検事、弁護人で

 

裁判員裁判の進行に仕方についての反省会を

 

行なったらしいのだが、その時に裁判官の

 

1人が、「8秒間車内に入ったと言って

 

いましたが、映像がないとわかりづらかったの

 

ですが」と言うと、検事は「それが映像が

 

ないんですよ」と答えたという。

 

 だが、それは明らかな嘘だ。

 

つい口がすべってしまったことだとは思うが、

 

俺の被告人質問の時に検事とこんなやりとりが

 

あった。

 

 

森田検事「防犯ビデオを見て、あなたも

 

分かっていると思うけど、これ、捜査段階で

 

防犯ビデオを見せられましたか」

 

石元「防犯ビデオですか。

 

ビデオは見せられていないですけど、

 

画像は見ました」

 

 この言葉から分かるとおり、やはり検察側は

 

その映像を確認しているということだ。

 

前述した上保検事の質問にも「これは、

 

防犯ビデオ画像ではあるんだけど」という

 

言葉も出ている。

 

「検察が間違って消しでもしたのかな」と

 

言っていた人もいたが、答えはNOだろう。

 

 今の時代、いろんな形でデータを

 

保存出来るし、便利なことに復元ソフトまで

 

ある。警察、検察にそのスキルや知識がない

 

とは思えない。そもそも、こんなに世間を

 

騒がした事件で、その重要な映像を破棄した

 

とは非常に考えにくい。

 

しかも、まだ1人逃亡を続け、

 

裁判すらはじまっていないのにだ。

 

やはり映像を証拠として提出してしまうと、

 

何かどうしても検察側にとって

 

都合の悪いことがあったのだろう。

 

 

正式な法廷の場でないなら裁判官に対して

 

このように嘘をついてもよいのだろうか…。

 

こういったところに、検察の裁判所軽視の

 

姿勢が顕著に表れていると思う。

 

今後裁判所がそういったことも含め、

 

検察を厳しく非難してくれることに

 

期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

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