これで警察の本気度というものがわかる | 石元太一のブログ

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「取り調べの立ち会いは可能という法務省の

 

新見解」という記事で、取り調べ時に弁護人が

 

立ち会い可能になったことについて触れたが、

 

その件に関して先月、

 

「昨年、法務省が現在の法制度でも取り調べ

 

への弁護人の立ち会いは可能だという見解を

 

発表しましたが、刑務所内での取り調べ、

 

また外部調べ時にも弁護人の立ち会いは

 

可能なのでしょうか。教示願います」

 

といった“教示願い”を提出してみた。

 

そして、それに対する刑務所側の回答が

 

「外部調べは事前に文書をもって当所に依頼が

 

あり、それを受けて当所で行なっている。

 

もし弁護人が立ち会うのであれば

 

外部調べ機関がそれを了承し、双方から文書を

 

もって当所に依頼することが必要であると

 

考えられる。

 

現状では、可能不可能は判断できない」

 

というものだった。

 

やはりその都度その都度の判断で実施されて

 

いくのだろう。

 

とにかく大きな大きな進展だ。

 

これで警察官も検察官も簡単に嘘をついたり

 

して、取り調べ対象者を嵌めたりすることが

 

出来なくなる。

 

冤罪の抑止にもなるだろう。

 

 

さて、ここからが本題になるが、「続・反証」

 

にも登場した“六本木クラブ襲撃事件”の

 

捜査本部にいた中村と遠藤という刑事。

 

俺に「信頼関係をつくれるまで、10回でも

 

20回でも来たいと思っている」とまで言って

 

おきながら、2016年8月8日に来たのを

 

最期に、その姿を見せていない。

 

(実際に俺のところに会いに来たのは

 

2016年5月12日と同年8月8日の2回のみ)

 

もし彼らが弁護人の立ち会いのもとで、

 

当時俺に語っていたことと

 

全く同じことが言えるのであれば、

 

その時は全国指名手配となっている

 

見立真一の捜索に全力で協力しよう。

 

警察にとってこんなに喜ばしいことは

 

ないだろう。

 

もし本当に警察が彼のことを本気で

 

捜索しているのなら。

 

これで世間の人達に、警察がどれだけ本気で

 

探しているのかがわかってもらえると

 

いうものだ。

 

 

平成28(2016)年5月12日の午前中、

 

事件の捜査本部の捜査員らが、何の前触れも

 

なしに突然会いに来た。

 

俺が調べ室に入るなり、

 

二人の捜査員が一斉に立ち上がり、

 

「ナカムラと言います。初めまして」

 

「エンドウです」と頭を下げて挨拶をした後、

 

ご丁寧に警察手帳まで見せてきた。

 

先に挨拶をして来たナカムラという刑事の方が

 

年配者で、エンドウという刑事の上司のよう

 

だった。一方、エンドウはまだ若く、

 

俺とさほど年齢が変わらないように見えた。

 

俺のところに来た表向きの理由は、「見立に

 

関する情報がほしい」とのことだったが、

 

その前にまずは俺と信頼関係を築きたいと

 

考えていたようで、そういった言葉を何度も

 

繰り返していた。

 

まず開口一番、イケウチ刑事が来た時と

 

同じことを俺は伝えた。

 

 

石元「見立に関して協力するしないの前に、

 

防犯カメラの映像と帰りのタクシーのドライブ

 

レコーダーなどをまずは出してください。

 

やるべきことの順番が違います。

 

(証拠の改竄・隠蔽をするなんて)

 

警察のすべきことではないし、

 

全ての証拠を出した上で正々堂々フェアに

 

裁判をしてほしいです」

 

ナカムラ「石元さんも知っている通り、我々

 

警察は証拠を全て検察に提出しています。

 

昔みたいにいい加減なことは出来ない」

 

「ウチらが何かを隠すということはない」

 

「上同士がやり取りしていることだから

 

下っ端の人間にはどうしようもないんです」

 

「上の人間には石元さんがこういうことを

 

言っていたと伝えておきます」

 

「最終的には上が判断することだから」

 

石元「証拠の一覧表みたいなものが

 

警察の方にもしあるのなら、

 

見せてはもらえないんですか?」

 

ナカムラ「そういったものも全て検察に

 

提出している。だから開示するしないは

 

弁護士から検察に言ってもらうしかない」

 

 

 ナカムラ刑事らはこのようなことを

 

繰り返し述べていたので、こういった言葉を

 

投げ掛けてみた。

 

石元「通信データをいじるだなんて

 

有り得なくないですか?」

 

「(検察はそういうことをしても)ウチらは

 

絶対にそういうことはしない」

 

「国対国というか(検察とは)組織が

 

違うから」「ウチらは集めたものを全て

 

検察に渡している。(警察が)隠したり

 

改竄することはないよ。あとは上が

 

判断していることだから。検察と話して

 

どうなっているかは、俺ら下っ端には

 

わからない」

 

ナカムラ刑事らはこのように弁解していたが、

 

通信記録が一ヶ所だけ抜き取られていた

 

「通信状況解析結果報告書」を作成したのは

 

他の誰でもない警視庁であり、

 

その報告書には「警視庁組織犯罪対策部

 

組織犯罪対策総務課 辻田公一」という

 

作成者の名前がご丁寧に書かれている。

 

警察は相変わらず狸だなと思った。

 

 

俺が横浜に入所してまだ日が浅い

 

平成28(2016)年8月8日の午後。

 

また今回の事件の捜査本部の人間である、

 

ナカムラ刑事とエンドウ刑事が会いに来た。

 

 

「ウチらもここに来るには、担当の検事や

 

裁判官の許可を取らなくてはいけなくて」

 

「『見立らしき人間が大阪のパチンコ屋に

 

いる』などと他の警察から情報が

 

寄せられると、そんなはずはないだろうと

 

思っても、全国の警察に頼んでいる手前、

 

確認に行かざる得ない。

 

そんなのが1日20回以上ある」

 

ナカムラ刑事の言葉に追随するかのように、

 

エンドウ刑事も「中には北海道もありました」

 

と補足した。

 

拘置所や刑務所などに調べに行くのには、

 

検事や裁判官の許可が必要など、

 

俺は初めて知った。

 

平成27(2015)年7月13日に

 

イケウチ刑事が来た時は、前述の通り、

 

「『石元のところにちょっと会いに行っても

 

いいですか?』と上司に確認したら、

 

同じ課の人達も『そういえばイケちゃんが

 

石元を調べてたね。いいよ、いいよ。

 

行ってきなよ』と言ってくれたし」と俺に

 

言っていた。

 

警察の課によって規則がこんなにも変わって

 

しまうものなのだろうか。ナカムラ刑事らの

 

言葉は、何もかもが胡散臭く感じてしまう。

 

そしてナカムラ刑事は、また俺のことを煽る

 

ような言葉を並べた。

 

「とにかく見立をまな板の上に乗せないと」

 

「もしウチらが異動となったら、新しい人間が

 

また一から調べなければいけない。

 

それだとまた時間がかかってしまう」

 

「見立の親なんかは(他人事のように)普通に

 

暮らしている」だから早く協力してくれという

 

ことなのだろう。

 

だが、それらの言葉がやはり俺を煽る為だけの

 

言葉だったと、その後忽然と会いに来なく

 

なった警察の態度が証明している。

 

もし本当にナカムラ刑事らが、「自分が

 

担当している間に何としてでも解決を」

 

と考えていれば、そういった態度は

 

取らなかったはずだ。

 

そういえばずっと気になっていたことが

 

一つあったので、何か言質を取っておきたいと

 

思い尋ねてみた。

 

「(証拠の改竄・隠蔽に関して)検察のせいに

 

していましたけど、通信データの改竄が

 

されている書類を作成したのは

 

警視庁ではないんですか?」

 

その問いに対しナカムラ刑事は、よほどばつが

 

悪かったのか気不味そうに、

 

「その時の担当の(した)ことは

 

ちょっと……」と、答えに窮した。

 

警察や役所お得意のいつもの言葉だ。

 

もし可能であるなら、毎年この言葉を流行語に

 

ノミネートしてあげてほしい。

 

ナカムラ刑事は、前回俺が尋ねたこと、訴えた

 

ことの返答を今回の面会では持ってきた。

 

「警察が帰りのタクシーのドライブレコーダー

 

を検察に提出したのは間違いない」

 

とナカムラ刑事が繰り返し言うので俺が、

 

「帰りのタクシーのドライブレコーダーを

 

検察に提出したと上申書は書けないんです

 

か?」と要求すると、ナカムラ刑事の口からは

 

このような予想外の言葉が返ってきた。

 

「警視庁(のスタンス)としては今まで

 

そうしたことをやってきてないので

 

それは出来ないけれど、尋ねられれば

 

(検察に)提出したと答えるし、

 

証言に立ったっていい」

 

「それは上の人間にも確認済みです」

 

「ウチらは(検察の味方という訳ではなく)

 

中立だから」

 

「(再審を行なう)石元君の足を引っ張る

 

真似はしない」

 

「再審の為に協力出来ることはする」

 

「その代わり、(担当だった)検事に

 

危害を加えるとかは絶対にしないでほしい」

 

「ウチらは集めた証拠を検察に全て提出する

 

だけ。昔みたいには出来ない」

 

 

 「証言に立ったっていい」とは何とも

 

頼もしい言葉だ。

 

もちろん捜査員であるナカムラ刑事が

 

独断で決められるレベルのことではないので、

 

警視庁が“餌 ”として妥協したラインなの

 

だろう。

 

         「続・反証」より抜粋