IQ | 石元太一のブログ

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前に「週刊新潮」の記事で、

子供のIQを140以上に高めることを

保障する保育園のことが書かれてあり、

それを読んだ時は驚いた。

もちろん、その為には高い月謝を支払わなければ

いけないのだが、そんなことまでもビジネスに

なってしまうのだね。

いろんなことを思いつくものだ。

 人間の脳というのは、生まれた時は360g程度で

3歳までには8割~9割(1000gくらいまで)

形成されるらしいのだけれど、その成長期に

効果的な知育を施すんだって。

でも、それについてはいろいろな意見や見方が

ありそうだ。

「週刊新潮」に掲載されていた清泉女子大の

吉岡昌紀教授の言葉を抜粋しよう。


「IQとは知的能力の中の、知能テストで測れる部分に

過ぎません。知能テストがある種の知的能力を測っている

のは間違いありませんが、この数値が人間の知的能力を

正確に表わしているかどうかについては、議論の余地があります。

集中力とか、気配り、地頭の強さといった要素をトータルで

測る基準が必要ですが、今のところないのです。」


「知能テストの結果を伸ばすことは可能でしょう。

知能テストでは、規則性を見つけるとか、形や概念を認識する

ということが大事。だから、様々な積み木を色別や、形や

大きさ別に集めるということをすると、知能テストの

訓練になってしまう。

いわばカンニングのようなもので、その結果、IQが上がった

としても、知的能力が向上したと言えるかどうかは疑問です」


「訓練して5歳時にIQ140まで伸びた子供が10歳になっても

同じ数字を維持できるとはかぎりません。一方何もせずに

140だった子供は、それに近い数字を残せると思います」


ある幼児教育塾経営者はこう警鐘を鳴らしている。


「問題は、そういう親がかさ上げされたわが子のIQを見て

東大や早慶大に入れると思ってしまうこと。小学受験や

中学受験で、現実離れした希望を抱くことにもなりかねません」



東京大学名誉教授で白梅学園大学学長の汐見稔幸さんは

更に否定的だ。


「1995~96年ごろから、脳科学の世界では、脳のシナプスという

回路は1歳半ごろにはほぼ構築され、成長とともに不要な部分が

”刈り取られる”とされています。つまり、機械的な作業ばかり

続けていると、感情が働くところが”不要だ”と判断され、

刈り取られてしまう危険性がある。

アメリカでは、こうした訓練を受けてきた子供は、大きくなった

ときに相手の気持ちや考えを読み取る能力が、そうでない子の

半分以下になっていた、という報告もあります。

また、イギリスの哲学者で『自由論』などを書いたミルは、

幼少期の詰め込み教育でラテン語やギリシャ語まで

身につけていましたが、20歳のころ”自分は知識はあるが

感情がない”ときづき、鬱病になってしまう。

つまり、保成栽培では人間は育たないということです」



確かに知識の前に気配りや協調性、共感性、そして感情という

ものの必要性は強く感じるし、実践的知能を養うことの方が

俺には大切に思える。

実践的知能というのはアメリカの心理学者ロバート・スタンバーグが

提唱したもので、誰に何を言うかを理解し、どのタイミングで言うか、

そして、どのように言えば最大の効果があるかも理解している能力の

ことで、いわゆる物事の進め方のことを指す。

権利の主張や交渉力がこれに含まれるらしい。

ちなみに、IQで測られる分析的知能(一般的知能)と実践的知能は

直角関係で、詰まるところ正反対ではないが、全く異なるみたいだ。

どちらかが高いからと言って、もう一方も高いとは限らない

ということだ。

俺的には人が現代社会を生き抜いていく上で、これ程必要性、

重要性のある知能は他にはないと思うのだが。少し言い過ぎか。

でも、スタンフォード大学心理学教授のルイス・ターマンによると、


「人間にとってIQほど重要なものはない。おそらく道徳を除けば。」

とのこと。

う~ん、知能、人間の脳については本当に議論の余地がある興味

深いテーマだね。

 これはIQと関係ないけど、ある本に書かれていた

”天才をつくる6つの条件”

・野心やビジョンをもっている。

世の中にないものを創造しようという野心やビジョンが

なければ、いくら頭が良くてもただの勉強家で終わる。

・知識が豊富である。

側頭葉に蓄えられた知識や経験を、前頭葉で組み合わせる

ことで新しいアイデアが生まれる。

・粘り強く、執着心がある。

天才とは、天才的な努力ができる人のこと。

・楽観的である

悲観的な人間は、最初から難しい課題には取り組まない。

そういう人間は評論家にしかなれない。

・論理的思考でわかりやすく説明できる。

いくら画期的なアイデアでも、他人に上手く伝えられなければ

狂人扱いにされるだけ。

・美的感受性に優れている

天才は美しいものに囲まれて育つ。



いかがでしょうか? 是非子育ての参考にでも。




最近読んだ「脳の強化書」(あさ出版)っていう本も

とても面白かった。

「各世代の脳を見比べた結果、20代から40代にかけての

時期に、脳が非常に個性的になっていくことが分かったのです。

脳には本来、『成長したい』というエネルギーが満ちあふれて

います。その勢いが最も強くなるのが、20代から40代にかけて。」


「私はこれまで、『脳の成人式』は30歳だと主張してきました。

脳の成長はバランスが重要ですから、知識も人格も偏りなく

成長させなければなりません。」



”脳の成人式”だなんて表現がユニークだし、こうした記述を読み、

今からでも脳を鍛えるのは遅くないのだな、頑張ろうと思った(笑)


そう、「人は目や耳を通じて情報を得ますが、その情報を

理解するときに働くのが理解系脳番地です。」

「弁護士や新聞記者、編集者などは、相手の話す内容やその場の

状況を瞬時に理解する能力に長けています。

これは、理解系脳番地が人よりも発達しているからなのです。」

と書かれてある箇所を読み、弁護士と実際にこうしてよく

接してみて、それは本当に感じたし、まだ外にいた頃、

編集者や記者の方々と接することも多かった為、

そこに対しても確かに当てはまる事実だ。

もちろん、それは裁判官を始め、検事や刑事に関しても言える。

(中には理解しているのに、理解出来ていない

振りをする人もいるけどさ。)

羨ましい脳力です。俺自身も伸ばしたい脳力の一つだ。



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