原題「We were soldiers」
舞台はベトナム戦争です。
この映画もまた、これといって何の特徴もなく、
この戦争によって何を一番表現したかったのか分からない映画です。
戦争映画というのは難しいなぁと感じます。
アメリカの精神を如実に表現しているとも言えます。
この主人公のメル・ギブソンはとても信心深い軍人です。
戦地へ向かう直前には教会で神に祈りを捧げます。
主に自分の仲間や部下の無事を祈りますが、最後に、
「異教徒の敵の兵士の祈りは無視して奴らを地獄へ落としてください。」
メル・ギブソンの真面目顔で言われては冗談には聞こえません。
戦争について
「どこかの国で戦争が起こってしまった時、それを止めに行くのが
パパのような兵隊の仕事。」
子どもへの説明と言っても、これも本気にしか聞こえません。
ベトナム戦争ですよ…
まさにアメリカの精神を的確に表しています…恐い…
微妙に登場する北ベトナム軍の指揮官や
アメリカ兵と同じように恋人の写真を手にするベトナム兵。
アメリカ人もベトナム人も同じ思いで戦争をしていると言いたいんでしょう。
確かに、末端の兵士達はそうかもしれない、
でもそれは他国を戦場にしてきたアメリカには通用しないことだと思いました。
戦闘シーンもやけに簡単にベトナム兵が撃たれるシーンばかり。
とても同じ視点とは思えません。
どっかから取ってきたような、いかにもドラマのようなかっこいい台詞に、
まるで「ステップフォード・ワイフ 」に出てきた妻達のような、
華やかで従順で健気な軍人の妻たち。
これまた妻達の戦争とでも言いたげではあるけど、なんとも…
とても薄っぺらい感じにまとまってしまった…
★☆☆☆☆
冷戦です。

