バトル・オブ・シリコンバレー | Manhattan Beach Video Archives

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いしいるかの観た映画

ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズという稀代の天才がいかに人間としてクズでハッタリだらけの愛すべきろくでなしだったか、という歴史映画。
 
ただジョブスの方がちょっとだけよりクズだったみたいだが。
 
世間でよく言われているように、ジョブスが天才的なクリエイターであるとか偉大な経営者だとか、優秀なビジネスマンだったという評判ができたのは、彼のそばにウォズことウォズニアックがいつもいたおかげであって、もしジョブスのために献身的に身を捧げる彼の厚い友情がなかったとしたら、マッキントッシュはもちろん、Appleが開発したすべてのプロダクツは世の中に存在していないし、我々のデジタルな生活は100年ほど後退していただろうなぁ、とは思う。
 
そして何度も映画化されているジョブスの数奇な人生だけれども、今ひとつ「リサ」という娘を頑なに自分の娘と認めなかったのかがよく理解できない。
 
個人的にはジョブスの最も謎な部分ではないかと。どれだけ決定的な証拠が出ようが血液検査が出ようがなんだろうが、認知はおろかはした金を渡すのすら拒否したその感覚は謎そのもの。ひょっとしたら彼自身にもその感情が良くわかっていなかったのかもしれない。
 
あと、やっぱりゼロックスだよなぁ。
先見の明がない保守的で頭の固いトップがいるとすべてが足元から崩れてしまうものなんだなぁ、と。
 
IBMにしろゼロックスにしろ、旧態依然の体制を守ろうとしている時点で、既に絶滅への一歩を歩みだしているのだろう。怖い怖い。
 
 
 
 
2018年5月