酷ぇなあ、とにかくグロさが酷い。
どうやったらこんな話思いつくんだ。
エイリアンシリーズは「プレデターとなんちゃら」以外は楽しく見続けているが(と言いつつ実は「エイリアンVSプレデター」もしっかり観ている)、毎度毎度この悪趣味なグロシーンにうんざりして、よし!また見よう!と思う。
2以降のシリーズのストーリー展開の存在をはなから無視するリドリー・スコットの、このエイリアンという生命体に対する思い入れというのが強すぎてやや引く。
人間の背中や口から生まれたばかりの赤ちゃんエイリアン、ネオモーフが、チビッコながら強烈にすばしっこくて獰猛で恐ろしい。
エイリアンエッグやフェイスハガーなど、時系列で続くシリーズではお馴染みのキャラクター?と、ギーガーの造形が美しい完全体のエイリアン、ゼノモーフが登場して、やはりこのシリーズはこうだよなあ。と。
振り向いたら目の前で涎垂らして待ってたり、排水口から尻尾出したり、もうお腹いっぱい。
さらに、
契約、という名の船で約束の地を目指す民。
「我が名はオジマンディアス、王の中の王なり。 我が偉業を見よ、全能の神々、そして絶望せよ」
「天国の奴隷でいるのか?地獄の王でいるのか?」
バイロン、いやシェリー、そしてミルトンの「失楽園」。更には聖書、出エジプト記。
ある種の教養を持っていないとなかなか理解できないストーリーは、リドリー・スコットが単にエイリアンという化け物と化した究極の完全生物の話ではなく、実はその創造主であるAIをテーマにこのシリーズを作っているからなのだろう。
マイケル・ファスベンダーが前作「プロメテウス」に引き続きデヴィッドを演じる。
更にもう一体のアンドロイド(ウォルター)も、彼が演じるのだが、並んだとき身長を変えるという割と細かい演出。
(デヴィットとウォルター、その名はプロデューサーのデヴィット・ガイラーとウォルター・ヒルからか)
何れにせよ、無表情で、歴代このシリーズでアンドロイドを演じてきた名優と同様、なんとも言えぬ味のある不気味な演技。
ダニエルズのキャサリン・ウォーターストンはショートカットになって健気でタンクトップなヒロイン役を好演。
ファスベンダーとは「スティーブ・ジョブズ(2015)」でジョブズの娘であるリサの母親(めんどくせえな)を演じた以来の共演だ。
前作では老人メイクだけだったガイ・ピアーズも同じ役で素顔で出演。ノオミ・ラパスは残念ながら写真のみ。
まあしかし、後半ひたすら不気味なだけで観客を置いてけぼりにして、かなり意味がわかんなかったストーリーの「プロメテウス」よりはエンターテイメントとして映画になっていた気はするね。
これでようやくシリーズ初代の「エイリアン」へ続く話になったのと、前作「プロメテウス」のラストからどう繋がるのかという疑問が個人的には多少は解決した。
ところが興行収入は「プロメテウス」が1億2600万ドル(約142億円)だったのに対し、7,400万ドル(約83億円)という大爆死。
最初から前後編、というか二部構成のストーリーである事をアナウンスするべきだったんだろうなあ。
監督も既に80歳を越えてるし、まあこれがリドリースコット版のエイリアンの見納めになるのだろう。
2024年1月