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いしいるかの観た映画

言わずと知れたマイケル・マン監督の「ヒート」の元になったテレビ映画作品。
 
例によって邦題は頂けないが(オリジナルタイトルはL.A.Takedown)監督のエッセンスが既に十分過ぎるほど溢れ出ている作品。
 
映画「ヒート」は、それこそ数十回繰り返し繰り返し見て、台詞を諳んじるほどハマりにハマった大好きな作品だが、このマイケル・マン監督の89年のテレビ映画作品を見てると、彼がこの作品、このプロットにこのストーリーに、どれほど入れ込んでいたかが良く分かる。
 
大物ハリウッド俳優を起用し、93分から、171分へ、倍以上のフイルム尺と、豊富な予算を積んだら(ほぼ)同じ脚本でどれくらいのクォリティの映画がリメイクとして出来上がるのか、というのを実際にやってしまった例とも言える。
 
流石に映画界随一とも言える「ヒート」の銃撃戦と見比べてしまうと、銀行強盗から逃走シーンの銃撃戦の迫力は如何ともし難いが(なにしろ彼らの武装はちっぽけなヘッケラー・コッホのMP5Kのみである)全編にわたってマイケル・マン魂というか、彼の描きたかった世界の根本的なモノは見て取れる。
 
登場人物、特に主役の2人の年齢層を一気に10歳以上引き上げて、大人のストーリーとなった「ヒート」に比べると、スコット・プランクアレックス・マッカーサーの2人は若々しくて、それはそれでいいと思う。
ラストシーンが全く異なるのも興味深い。
 
時折、ヴィンセント・ハナ警部とパトリック・マクラーレン(「ヒート」のニール・マッコール)の台詞が「ヒート」とは入れ替わってるシーンがあり、(例えば通りに熱、ヒート、つまりヤバい気配を感じた時に、一切合切のしがらみを捨てて高跳びする覚悟はあるのか、というくだりとか)なるほどこの台詞はむしろニールに言わせた方が良いと考えたのか、などと考察するのも一興。
 
しかし久々にスタンダードサイズ(アナログテレビサイズの1.33:1のアスペクト)画面を見たなあ。昔はこんな感じでテレビ見てたんだよなあ(^_^;)
 
 
 
 
2024年2月