オリジナルタイトルはSICARIO(シカリオ)。スペイン語で殺し屋、HIT MANの事らしい。
とにかくベニチオ・デル・トロが徹頭徹尾、やたらとかっこいい。
無法地帯を通り越して、暴力と薬物に徹底的に支配された、この世の地獄のようなメキシコ国境の街を舞台に、アメリカ側の思惑とそれに損得で一致した個人の復讐劇が交差するシニカルな作品。
平和で安全な場所からの意見や見解など、なんの意味もないのだ。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントが、CIAにうまいこと利用される堅物のFBI捜査官。
あまりにも過酷な現実と、法を遵守する理想との間で打ちのめされるナイーブさをうまく演じていた。
君は狼ではない。ここは狼の街だ。とアレハンドロに引導を渡され、ベランダから彼を撃とうとするも果たせず。
ジョシュ・ブローリンがなんともCIAらしい役柄を好演。
ヴィクター・ガーバーがFBIの上司役で出てたなあ。「タイタニック」以来久しぶりに彼を見た。
因みにこの作品はPG15だけど続編「ボーダーライン ソルジャーズ・デイ」はPG12なのだね。
2023年10月