おんな城主 直虎・Maaya Wakasugiさんインタビュー | 芸術家く〜まん843

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幼いころからの夢だった 大河ドラマの題字

実は私、大河ドラマの大ファンなんです。
チャンネル権のある祖父を筆頭に
家族みんなで楽しみ、
3歳年下の弟とは
歴史を勉強するような気分で
幼いころから見ていました。
また、6歳から書道を始めていたため、
大河ドラマの題字にも
強い関心を持つようになっていったんです。
それぞれの物語を印象付ける、
興味深い題字の数々。
それらを見るうちに、
「大人になったら、
いつか大河ドラマの題字を書いてみたい」
という気持ちが芽生えていきました。
書家としていつか叶えたい、
ひとつの夢でもあったのです。
ですから、今回お声掛けていただいた際は
本当にうれしくて。
おこがましくも「ついに来た!」と、
思ってしまったほどです(笑)。

いざ書くとなったとき、
現在活動の拠点がフランスにあるため
“直虎”について図書館に行っても
資料がふんだんにあるわけではありません。
でも、自分でできる限り
いろいろな手段で歴史などを調べ、
必死に準備を進めました。
また、岡本プロデューサーから
伺った情報なども参考にしつつ、
“直虎”とは
どんな顔をした人物なのだろう……と、
想像をふくらませ
必死に書と向き合いました。

1000枚 直虎の顔が出るまでひたすら書く

フランスから日本へ、
題字を持参しフライトする期限の日までに
1000枚、
紙が尽きても構わないと思うほど
心血を注いで書いた日々。
とにかく“直虎”の文字から
お顔が出てくるまでは、
と心に決めていました。
こうしてなんとか仕上がった、
題字にふさわしい作品。
「おんな城主 直虎」の
“おんな”という仮名文字には
女性らしいたおやかさを、
そして、“虎”は強く男性的で、
二画目に目玉を入れるような気持ちで
書き上げました。
まさに画竜点睛ならぬ画虎点睛となるよう
魂を込めて。
「私が今書ける“直虎”はこれです!」と、
納得いくものになったと思います。
ご覧になる皆さんには、
この題字から“直虎”ならではの
決してぶれない芯の強さ、
そして戦国の世を駆け抜けた、
ひとりの女性としての
生きざまを感じていただけたらうれしいです。

ドラマの題字を書かせていただくことは
初めてのお仕事でしたが、
とてもよい経験となり
自分自身にとっての
ひとつのターニングポイントにも
なったと思っています。
父に報告したときに、
電話の向こうで泣いているのがわかりました。
私も「おんな城主 直虎」との出会いに感謝し、
これからも世界に
書の魅力を発信していきます。