おんな城主 直虎・三浦春馬インタビュー | 芸術家く〜まん843

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この命が井伊谷に戻れた意味を考えながら

おとわと夫婦約束していながら、
父の謀反を疑われ井伊谷を追われる身に――。
大きな悲劇を乗り越え
再び帰って来ることができた“亀”は、
これから井伊家にとって、
新たな光をもたらす
太陽のような存在になっていくと思います。
ひ弱だった体も見事に鍛え、
しっかりとした青年になりましたし(笑)。
そんなギャップもこの役の魅力のひとつだと
思って楽しんでいます。
この空白の10年にも、
おとわや井伊家への強い思いは
常に心の中にあったでしょうね。
今の時代のように、
メールやインターネットで簡単に
情報交換できるわけではありませんが、
きっと当時も文や人のうわさを介して、
少しは井伊谷の話が
耳に入っていたと思うんです。
離れているからこそ、
温めてきた思いは大きかったはず。
10年の時を経て
この地に戻れた意味をかみしめて生きる、
直親の業や心情を大切にしながら
演じていきたいと思っています。

永遠に大切な存在 おとわと鶴と

常に井伊家や井伊谷を
いちばんに考えるおとわは、
“竜宮小僧”の生まれ変わりと思えるほどの
神々しい生き方だと思うんです。
でも、その一方で
ひとりの女性として
思い切り笑い、思い切り泣く場面もある。
そんな一面を、
柴咲コウさんが
すごく魅力的に演じてくださっているので、
きっと今後ますますすてきな
“直虎”になっていくだろうな、
と感じています。
柴咲さんは俳優として、
「主役を演じるというのはこういうことか」
と学ばせていただける存在です。
凛(りん)としているときもありますが、
それ以上に
スタッフの士気を上げるような笑顔や
言葉を届けてくれたりもする。
まさに現場をけん引する直虎のような方です!

政次とも寄り添いそうでそうではなく、
互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う
微妙な関係性が演じていて
とても楽しいですね。
一生さんとはいろんなことを話します。
静岡県の浜松ロケでは
地元の方々の協力もあり
井伊谷の棚田が見事に再現され、
とても感動して。
まるで僕たちが
この時代に迷い込んだような気持ちになって、
高橋さんと
「戦国時代ではあるけれど、
おとぎ話のような世界観だね」
と、語り合ったりもしました。
おとわ、鶴、亀、
そう呼び合った時があったからこそ、
直親は前を向いて生きてこれた。
そしてこれからも、
この3人の間には強い絆が続くだろうと、
演じながらも感じています。

大河ドラマ、実は3回目の出演です!

僕はいま26歳ですが、
大河ドラマはこれが3回目になるんです。
2003年に、「武蔵 MUSASHI」、
2006年に「功名が辻」
といずれも10代での出演でしたが
思い出がたくさんある現場です。
成人してからは初めてでしたが
“亀”同様に久しぶりに戻ってきて、
僕が小さかったころにもお世話になった
スタッフさんに再会できて……。
温かい空気を感じながら
現場に入ることができ、
本当に幸せでした。

衣装やセットに至るまで、
しっかりと作り上げられた
大河ドラマならではの空気の中で、
時代劇の所作などを学ぶことができるのは
俳優としても
大きな財産だと改めて感じました。
すべてが勉強になり、
興味深いことばかりです。
「おんな城主 直虎」は
合戦や殺陣よりも、
井伊家の人々の思いやりのある心や
井伊谷の人々の暮らしに思いを馳せてもらえる
大河ドラマだと思います。
ぜひ一人でも多くの方に
楽しんでいただけたらうれしいです。