我が家には、増える一方の釣具を置くスペースがありません。
まったく不徳の致すところでありますが、ハリスや針といった小物以外は、竿もリールもすべてクルマで10分程の実家に置いてあります。
いい加減断捨離しなくちゃいけないのは分かっていて、でもとにかくものぐさだし、たくさんの釣具に囲まれていると、それだけで幸せだったりするのでなかなか踏み切れないのです。
金曜の夕方、いつもの様に実家へ道具を取りに行き、おふくろに「釣りに行ってくる」と告げて出掛けました。
「何釣りに行くの?」と訊くので「カレイだよ」と答えたら、「イトヨリがええわ」と無茶をいうのはいつもの事なので、適当に受け流して出発です。
毎年3月から4月にかけて、広島県は呉沖の、倉橋島や江田島へカレイ狙いに行ってます。
<早朝:ひまねきテラスから江田島を望む>
ビックリするような大物も、家族だけでは食べきれないほどの数も、少なくとも僕には釣れませんが、僕みたいに適当な釣り人にも、それなりの釣果を与えてくれる、そんな恵みの海であります。
もっとも、単純に好きだから、と言うのが本当のところかもしれません。とにかく居心地がいいのです。
ただ今年は少し様子が違うみたいで、景気のいい春カレイの話があまり聞こえてきませんね。
クルマで第二神明を走りながら「徳島方面」の標識を見た時は一瞬グラっときましたが、とにかく行かなくちゃ!
第二音戸大橋を渡って釣り場に向かいます。
大型が釣れそうな、あくまで釣れそうな、そんな外海を臨む釣り場で、のたりのたりと一日を過ごし、カレイやキスをひとつふたつ持って帰る(^_^;)のがいつものパターンです。
だけど今年は固く、確実に釣りたい
(  ̄ー ̄)☆
こういう生意気なことを考えて狙い通りにいった試しがないのに、いい加減学習すべきだとは思います。でも最近めっきり人の名前も覚えられなくなってきているので、今さら学習は無理かもしれません。一晩寝たら忘れます。
で、いつもとは趣向を変えて、カキ筏の設置してあるような、水深のある湾内を狙ってみることにしました。
深夜に釣り場へ到着。。。今回はボケーっとせずに三脚を置いて場所を確保します。。。。
<夜明けです>
さあ釣りましょう
425CXを中心に6本で始めました。特にスピンはこの冬、半世紀師匠から5ガイドの旧モデルを頂戴しましたので、三世代揃い踏みとなりました。他にはスカイサーフの405や、ふにゃふにゃに腰の抜けたサーフリーダーと、それぞれ竿の調子が違いすぎて、釣り辛いったらありゃせんがね(´・ω・`)
最初にアタリが出たのはそのふにゃリーダーで、釣れたのは20㎝ほどのハゼ。こいつは天ぷら確定です。
となりに来られたフカセ師さんはチヌ狙いだそう。
上潮は釣れたためしがないけど、下げまで場所取りや、と笑ってはります。
「下げだしたらウキがそっちに流れるけど、引っ掛けたらごめんやで」
「いえこちらこそ、ドボンドボンオモリ投げますけど、迷惑掛けないように気をつけますので」
そんな時、例の5ガイドスピンにガガガッと穂先を小刻みに叩くアタリが出ました。
フグ?
竿をあおると……重い(  ̄▽ ̄)!
このあいだの淡路島では、フグのダブルでほのかな希望を木端微塵にされてますから、姿を確認するまで努めて期待を持たないように自制しますよ。
なんと小型カレイのダブルでした。
正直、カレイ釣りにおいて二本針の仕掛けに一体なんの意味があるのか?二匹いっぺんになんか釣れねーし( ̄。 ̄)、なんて考えていましたが、初めてその恩恵にあずかりましたよ。
贅沢言えば、それぞれあと10㎝大きかったら。。。。。。
もうこれで帰ってもいいくらいです。
魚の活性が上がってきたようで、次々とアタリが出ます。シログチ、ハゼ。。。
あとからやって来たサビキのご夫婦が、ここはグチが多いからたくさん釣ってよ、と応援してくれます。
聞くところこの釣り場、去年広島の釣り番組で紹介されたらしく、以来入れないくらいに混雑したそうです。
「最近また人が減ってきたけどね」
「ブームが去った?」
「そうそう」
「なんで減ってきたんですかね?」
「そんなに釣れないから」
。。。(^_^;)
遠方からの来訪者である僕を何かと気に掛けてくれて、奥様はなんと少し遠くで釣っていたキャスターの所まで状況確認に行ってくれます。
「全然ダメだって」
「そうですか、あっちもよさそうなんですけどね」
「アンタが釣ってるとこに入りたかったけど、ひと足遅かったって」
。。。(^_^;)
お昼を過ぎ、しばらくしてから、ようやく潮が下げだしました。皆さんここから本番みたいです。
僕は朝のいっとき以来サッパリです。
まったくエサが取られないポイントAと、少しエサが残るポイントBがあって、こうした場合、どちらを狙うのがセオリーなんでしょうか?どなたか教えて下さいなm(__)m
次のアタリはBポイントでした。
魚がついてるのは感じるのですが、カレイじゃないのは確実で、なんだろ?
おー、ええ型のコチや、とフカセ師さんが褒めてくれます。
確かにこのサイズを釣ったのはいつ以来か覚えていないくらいです。嬉しいな。
サビキのご夫婦は、また広島に来て下さいね、と挨拶されて帰っていかれました。
フカセ師さんもダメらしく、餌取りもおらんわ、と笑いながら帰り支度をされてます。
そんなとき、スカイサーフの穂先がコクリとお辞儀しましたよ。
「きたきた」
「そうですね」
<うーん。。。微妙なサイズ>
フカセ師さんが帰った後もしばらく頑張りましたが、急に冷たい風が吹きつけてきて、僕も納竿することにします。
<本日の微妙な釣果>
片付けていると、ジャージのおっちゃんが様子を観に来られました。
「どうや?」
「いやー(^_^;)小さいカレイが三枚だけです」
「このへんもカレイが少のうなったからな。三枚は上出来や」
出会った人たちがみんな褒めてくれた一日でした。
釣果はビミョーでしたが、やっぱりここが好きなのでまた来ます。
<帰りもひまねきテラスから。呉の製鉄所>
<早朝の呉>