ディーバーシステムにおける杉村太蔵くんの役割 | 走るのに疲れたら、歩けばいいじゃん!

ディーバーシステムにおける杉村太蔵くんの役割

【ディーバーシステム】はてなダイアリーより引用

ベトナム戦争の敗北をきっかけに、アメリカ政府・軍が研究開発したメディア制御の方法。
創案者のマイケル・ディーバー(Michael Deaver レーガン大統領政権時、次席補佐官)の名前を取って、ディーバーシステムと呼ばれる。
特に、戦争報道を行うテレビニュースが、制御の対象となる。

・高視聴率を追い求めるテレビ番組の本性を利用する。
・メディア側が十分に取材・検討しなくても放映できるように、政府・軍の側が、うまく構成された情報をパッケージする。
・視聴者の関心をそそる、パッケージ化した情報を「洪水」のように流してニュース番組の時間を埋めていく。

「見たい視聴者と流したいメディアという自発性をうまく誘発することによって、政府の見せたい映像だけを流すという方法」(武田徹)である。


9月27日の杉村太蔵くんの記者会見は、「お見事!」と感嘆してしまうほどのメディア戦略でした。

上記のディーバーシステムの3つの要点をもう一度読んでから、以下をお読みいただけると、この記者会見がディーバーシステムによるものであるとお分かりいただけるのではと思います。


杉村太蔵くんは、最年少当選としての注目もさることながら、数々のストレートな発言によって、テレビのニュース番組やワイドショーで取り上げられ、一躍「時の人」となりました。

9月20日、自民党の新人議員計83人を対象とした研修会が開かれました。武部幹事長は、杉村太蔵くんに対して「もうマスコミに出るな!!」と直々に言い渡し、取材対応を自粛することになりました。
(情報の遮断)

そして、この情報の遮断(取材規制)によって、視聴者は杉村太蔵くんの明け透けな発言を聞くことが出来なくなりました。
(情報に対しての飢え)

9月27日、『自民党旧橋本派の1億円献金隠し事件』の弁護側証人として自民党の青木幹雄参院議員会長が出廷するこの日、杉村太蔵くんの記者会見が報道陣約150人、テレビカメラ約20台を集めて行われました。
この記者会見は、「見たい視聴者と流したいメディアという自発性をうまく誘発することによって、政府の見せたい映像だけを流す」ことを目的として行われたわけです。
(情報の洪水)


9月20日から27日は、情報の遮断によって、視聴者は情報に対して飢えを覚え、メディアはネタを探し、政府はタイミングを見計らってうまく構成された情報を洪水のように流す」、という一連のプロセスでした。

これは、「視聴者は面白いから見る視聴者が見るからメディアは流す。そして、その結果、それ以外の情報が流れなくなる」、「情報を出せば出すほど、正しい情報にアクセスできなくなる(大事な情報を見なくなる)」というディーバーシステムによる情報制御だったのです。

制御したかった情報は、所信表明演説『自民党旧橋本派の1億円献金隠し事件』だけではないでしょう。
政治の本質そのものへの注目から遠ざけることも目的にあったでしょう。

そう、このディーバーシステムには、大事な情報から大衆の目先をそらすというベクトルが隠されていたのです。


その役割を杉村太蔵くんは見事に演じたのでした。

↓過去記事↓
杉村太蔵くんの記者会見、その裏にある思惑
杉村太蔵くん、「腐ったミカン」にならないでね。

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◆衆議院選挙に行こう! その3 国会議員の特権