本日のテーマは、

50代から考える介護保険の仕組み

です。

当ブログを運営しているのは、

福祉業界出身FP

です。

 

 

 

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FP と共に、老人ホームで介護職員を助ける介護助手の仕事をしています。

 

お金の専門家の立場から、高齢者の判断力が著しく低下する認知症と、それが家族に及ぼす影響についてお話しします。
 

 

  1)今日の結論、50代から親の認知症に備えましょう。


老後資金の確保のため、イデコや新NISAなどで資産運用をされている方に向けた記事です。


投資の期間は、数十年に及びます。その期間において、親や本人の認知症は、投資を妨げるリスク要因です。

 

例えば、親が認知症になり、介護のための離職や減収が起きると、投資に回すお金を確保するのが難しくなります。


イデコやNISA、新NISAは、少しずつ積み立てる形で、投資を行なう長期投資が主流です。認知症により、その長期投資に影響が出ます。

2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になるという政府のデータがあります。

親の介護は、人生100年時代の後半である50代以降に始まります。

介護保険の仕組みを知り、今からこれに備えましょう。

 

  2)認知症の症状


介護保険制度の話の前に、認知症についてお話しします。

認知症は、高齢者が物事の識別ができなくなる症状です。例えば、たった今ご飯を食べたばかりなのに、「ご飯はまだか?」と介護職員に質問したりします。

私たちも、昨日食べた晩ごはんのおかずを忘れてしまうことは、良くあります。これは普通のことです。

認知症の場合は、ご飯を食べたこと自体を忘れてしまうのです。

父親、母親を介護するときに、認知症であるかどうかで、大変さは大きく違ってきます。

 

何しろこちらが「ご飯なら、先、食べましたよ。」といっても、納得してくれないのですから。





 

 

  3)認知症だと、自分の娘や息子が分からなくなります。


5類になるまでのコロナ禍の時期では、多くの施設で、利用者と親族の面会に制限がありました。

 

当時は、パソコンによるリモートの面会が増えました。


面会の様子を見ていると、認知症の利用者が、面会者である自分の息子や娘を全く識別できていないことが分かります。

面談は、息子や娘が一方的に話して終わってしまいました。

認知症だと、自分の子供も識別できなくなる場合があるのです。




 

  4)介護保険の必要性

 


介護保険はなぜ必要なのでしょうか?2022年9月現在の65歳以上の人口は3,627万人、高齢者人口率は29.1%となりました。

 

この高齢者のうち、6人に1人が認知症になるというデータがあります。

 

3年後の2025年には、この割合が2割、すなわち5人に1人になると予測されます。

 

認知症の親を介護する可能性は、誰にでもあります。

 

概ね50代から60代の、人生100年時代の後半戦の始まりに親の介護が発生します。

 

この時期は、多くの人はまだ現役で働いています。

 

介護離職を避けるためにも、介護保険制度を上手に活用しましょう。


せっかく40歳からコツコツと、介護保険料を払い続けてきたのですから!

 

 

  5)介護保険の仕組み

 

 

介護保険とはどのような仕組みでしょうか?

 

介護保険は、住んでいる市区町村に対し、40歳以上の人が保険料を払います。

 

実際に介護が必要になったときに、プロである介護事業者のサービスを受けることができます。

 

サービスはニーズに応じて、様々です。

 

まずは、大きく・施設通所在宅(訪問介護)の3つに、分けて考えると分かりやすいでしょう。

 

  6)介護保険の利用例(在宅の介護)

 

 

介護保険の利用例Aさん(59歳)が、83歳の母親を、在宅で、週3回訪問ヘルパーにお願いする例を考えてみましょう。 


母親は要支援2。

1人暮らしで、国民年金で生活しています。

 

物忘れはありますが、認知症ではありません。

 

食事やトイレなど、身の回りのことはできますが、部屋の掃除や料理、入浴が負担になってきています。

 

Aさんや奥さんが週末や仕事帰りに、こうした家事を行いますが、毎日だとキツイので、訪問介護サービスを活用することにしました。

 

主に入浴と清掃を中心に週3回、ヘルパーさんに来てもらうことにしました。

 

 

 

  7)単位の仕組み

 

在宅で、月に受けるサービス介護保険のサービスでは、内容によって、「単位」とよばれる時間あたりの料金が決まっています。

 

例えば

身体介助、時間は30分以上1時間未満 が394単位です。

生活援助、時間は20分以上45分未満が182単位です。

 

仮に週3回の訪問介護で、身体介助として入浴サービス、生活援助として部屋の清掃をお願いするとします。

 

計算すると、月12回で、6912単位となります。1単位は、概ね10円です。

 

金額は、ひと月約69千円となります。

 

 

 

  8)自己負担割合と自己負担限度額

 

 介護保険の自己負担割合は、所得によって異なり、1割〜3割です。

 

お母さんは年金以外には収入はありません。

 

ここでは、自己負担割合を1割とします。 

 

週3回訪問介護サービスを受けるAさんのお母さんの自己負担額は、69千円の1割である6900円です。

 

介護保険では、介護度ごとに、一ヶ月で利用できる介護サービスの上限が決まっています。

 

これを自己負担限度額といいます。

 

訪問介護のような在宅サービスの自己負担限度額は、要支援2の場合、105千円です。

 

もし、Aさんが、忙しくなって、訪問介護の利用回数を、倍の週6回に増やしたとします。

 

金額は、69千円の2倍の138千円となります。要支援2の自己負担限度額は、105千円ですから、138千円 - 105千円 = 32千円には、介護保険が、適用されません。

 

105千円を越えた32千円は、Aさんのお母さんが毎月負担しなければなりません。

 

 

  9)最適な介護サービスを選んでくれるケアマネジャー

 

 

今日は、介護保険の仕組みを理解するため、簡単な計算をしました。

 

実際に介護保険を利用する場合は、ケアマネージャーと呼ばれる専門家が実情に応じたサービスを選び、無料で見積もってくれます。

 


ただ、ケアマネさんも大勢の利用者を掛け持ちしているのが実情です。全部お任せという姿勢だと、結果として自分が望むサービスにならない可能性もあります。

 

大まかな仕組みを理解しておくと、忙しいケアマネとのコミュニケーションもより円滑になるでしょう。


 

 

 

(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)

 

 

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ここまでお読み頂き、ありがとうございました。