第3417段 設楽の姥彼岸桜 その14
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和7年12月5日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』291号に
【設楽の姥彼岸桜】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その14首目の作は
この出会ひ まさに一期 一会にて
深く礼して 罷らむとす
日本には古くよりどんなものでも100年を古れば
霊魂が宿るといふアミニズムの【付喪神】の信仰があるのであるが
まして生命力のある生きてゐる樹木なれば
人格、否よ神格すら宿りゐるとぞ感じられ
その神々しさにひれ伏し敬ひ
会ひ得たることに最大限の感謝を申し去りゆく際の感慨の歌なり。