第2968段 ユネスコの温泉世界遺産に推薦の「鹿の湯」
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年7月下旬の或る日
下野の国は那須高原の「鹿の湯」へと行き
入浴を楽しみ
歌を
指湯して 48度の 入浴は
諦めしかど 「鹿の湯」よし
「鹿の湯」のは42度、43度、44度、45度
47度、48度と温度の違ふ浴槽が惜しげもなく
源泉かけ流しの硫黄温泉なり。
42度、43度、44度、45度までは試しに入浴し
47度、48度は足湯ならぬ指湯のみして
全身浴を諦めけり。
されども通ひ馴れたる通人の老人
平気なる顔をして浸りゐれば驚きなり。
而して、この湯 まさに天下の名湯にして
その男、仮にユネスコ世界遺産の委員なれば
間違ひなく世界温泉遺産に推薦し認定することを
疑はざりけり。