第2911段 連作「北海道を」 その15室蘭に知り合ひたる翁
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年五月上旬の3日
その男の所属する短歌の結社である「桃の会」の
発行する季刊誌の「桃の会だより」57号に
『北海道を』をと題し連作43首を発表し
評価を世に問ひけり。
その連作の第15首目は
再びは 来ることなけむ 室蘭の
一会の翁よ 息災であれ
この歌の心は旅行中に立ち寄りたる室蘭の市街地の道の駅にて
歳の頃、凡そ七十代の後半と思しき、犬を連れたる老人と
世間話を暫し交し別れたる折の感慨の作なり。
※「一会」とは茶の湯の言葉の「一期一会」の省略形なり。