第2856段 連作『近江の国にて』其の拾参 続・在原業平の供養塔
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和6年の早春
念願の近江の国へと行き
滞在したる折の連作を
令和6年4月10日発行の
その男の所属する「桃の会」の機関紙である
桃の会たよりの56号に
『近江の国にて』と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その拾参首目の作は
業平が 供養塔とて 小さけれ
山の斜への 石ををろがむ
かの本物の在原業平卿の墓所なりせば
余りにもみすぼらしくあり
華麗なる生前とかけ離れたれば
悲しみに読経の折に涙 流れけり。