第2659段 連作『縄文を』其の弐 胃の力が命
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年9月7日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』282号に
【縄文を】と題し連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その2首目の作は
命とは 胃の力のことぞ 生きゆくに
大切なものと 知りゐたる民
胃の力の胃とは単に胃袋を指すのみに非ず
原初の縄文人には体内の重要なる臓器全体を意味し
胃が満たされてゐる状態が生命の持続の可能性を言ひ
逆に空腹感の継続、つまり飢餓は命の逆の ≪死≫を意味し
怖れて生まれたる言葉とぞ覚えけり。