第2556段 優勝経験の無きまま土俵を去る平幕力士
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和5年5月下旬の或る日
大相撲の夏場所の取り組みを観戦し
突然の逸ノ城や栃ノ心の引退報道に驚きつつ
平幕にて優勝経験のあるその二人は
よき相撲人生と思ひしかど
その多くは幕の内に上がれば御の字にて
優勝することなく角界を去りたる力士は
数多にて歌を
優勝に 一瞬近づきし 日もあれど
平幕のまま 引退迫る
具体的にはどの力士かといへば
それこそ過去から数へれば枚挙に暇なく
優勝経験の平幕力士は稀有なる存在とぞ覚えけり。