新編・伊勢物語 第2176段 亡き人からの呼ぶ声 星原二郎第2176段 亡き人からの呼ぶ声 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和4年4月の或る日 明け方の夢に亡き人の現れて 歌を いつになく 亡き人の顔 なつかしく 浮かび来る未明(あさ) 呼ばれゐるにや と詠み、吉野秀雄の歌の 「これの世に 引き留むるにや かの世より 呼ばれゐるにや 熊蝉の声」 を思ひ出しけり。