新編・伊勢物語 第2114段 逢瀬の障害の降雪 星原二郎第2114段 逢瀬の障害の降雪 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和4年1月中旬の或る日 惚れたる女人ありければ、雪の降る天気予報を聞きたれども 待ち合はせの場所へ向かひつつ 歌を 朝よりの 雪もものかは 妹(いも)がもとへ 行かねばならぬ 愛は一筋 と詠みけり 而して、心配せし雪の予報は外れ杞憂となりけり。 ※「妹」とは男性が女性を親しみて呼ぶ語にていもうの事には非ず。 ※「ものかは」とは「ものともせず」「なんでもない」の意の古語なり。