第2098段 『中部日本歌集』を読みての感想
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和4年1月中旬の或る日
いつものやうにコロナ禍なれば自宅に籠り
午前中は歌の勉強と『中部日本歌集』を読み
歌を
相聞の 歌見当たらぬ 歌集にて
平均年齢 後期高齢か
と詠みけり。『中部日本歌集』の全体を通して多いのは
コロナ禍関連のマスク、ソーシャルディスタンス、ワクチン接種の類
高齢の親の介護と認知症関係、伴侶の死を嘆く歌
そして、甘さが目立つ孫歌などなどにして
以前なれば多く見掛けたる海外旅行詠も全く無く
歌の本来の中心である相聞歌、つまり恋歌もほとんどあらぬを
現実と受け止めけり。
更に申せば若き歌人の多くは短歌の結社の古き因習を嫌ひ
ネットでの発表が中心となりたる今日の短歌を取り巻く環境を
まざまざと知らされけり。