新編・伊勢物語 第2003段 逼塞の刑の日日 星原二郎第2003段 逼塞の刑の日日 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年10月の或る日 コロナ禍の日々を思ひ出し 歌を 逼塞の 刑にも似たる 日日にして 夕去り来れば 買ひ物へ行く と詠み、その男の住むマンションの1階にある ドラッグストアへ日常生活の食料品を買ひ求めむための ささやかなる外出を懐かしみけり。 ※「逼塞の刑」とは江戸時代 武士・僧侶・神官などに科したる 昼間の外出を禁じた処罰の一つなり。