新編・伊勢物語 第1998段 一つの体躯に二つの眼 星原二郎第1998段 一つの体躯に二つの眼 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年9月下旬 定例の眼科を受診し 歌を 三つは無き 二つの眼(まなこ) 二つなき 一つの体躯(からだ) 老いは愛しむ と詠み、漫画家の手塚治虫先生の作品に 『三つ目が通る』がありしかど その男には勿論、三つ目の眼は無く 老人病の定番とも云へる白内障に緑内障を抱へて 将来的には失明の恐れを感じつつも 読書等酷使を続けけり。