第1835段 雪解けを集めて速し九頭竜川
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和3年4月上旬
北陸路を旅し越前は霊峰白山を源とする
九頭竜川の川岸に立ち
歌を
白山を みなもととして 雪解けを
集めて速し 九頭竜川は
と詠み演歌歌手の五木ひろしの『九頭竜川』を
口遊みつつ眺め続けけり。
而して四句めはかの松尾芭蕉翁の名吟
「五月雨を集めてはやし最上川」
の本歌取りにて、「五月雨」と「雪解け」の
違ひを面白しと自ら頷きけり。
而して、珍しき九頭竜川の川の名前の由来は
色々なる説あれども
「一身九頭の竜が現れ…」を興味深く慮りけり。