新編・伊勢物語 第1782段 不信なる電話の着信 星原二郎第1782段 不信なる電話の着信 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年2月のある日 珍しく自宅の固定電話に着信音ば鳴り 受話器を取り上げむとせし時 止まりたれば 歌を 着信に 気づき取らむと せし時し 音停まりたり 何の電話や と詠み、発信者の番号表示あれども 覚え無き番号なれば 例の振り込み特殊詐欺の電話にやと疑ひをいだき 無視することと決めたり。