新編・伊勢物語 第千五百三十七段 ああ皐月コロナのせいにて 星原二郎第千五百三十七段 ああ皐月コロナのせいにて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年五月中旬 コロナウイルスの流行にて 惚れたる女人との逢瀬もままならず 歌を ああ皐月 コロナのせいにて 逢瀬ならず 君も籠もり居 われも籠もり居 と詠みけり。 この作 その男の大先輩である 与謝野晶子先生の代表作の一首である ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す 君も雛罌粟 われも雛罌粟 を本歌としたる本歌取りなり。