新編・伊勢物語 第千五百三十三段 疫病神の怒りか 星原二郎第千五百三十三段 疫病神の怒りか 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年五月中旬 連日のコロナウイルスのニュース番組を見遣りて 歌を 禍神(まがかみ)の 猛威をふるふ 昨日今日 耐へ忍びつつ 去りゆくを待つ と詠み 少し前までの日本なれば 疫病は即ち疫病神の仕業と捉へ怖れ慄き ひたすら神に祈りを捧げ去るまで 待ちたる人々をおもんばかりけり。