第千四百二十七段 徳勝龍の初優勝
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和二年一月二十六日の
大相撲千秋楽の取り組みの
大関の貴景勝と平幕の徳勝龍の優勝の懸かった
一番を見終へて歌を
幕尻の 徳勝龍の 初優勝
祝ひて今宵 とことん飲まむ
と詠み 奈良県出身の力士としては98年ぶりの
快挙に拍手を惜しみなく送り
号泣の徳勝龍を讃へけり。
而して、奈良県の出身といへば
かの野見宿禰と当麻蹴速の古代の相撲の取り組みを
連想せしが、此度の快挙は相撲の神様の粋な
計らひのなせる業にやとぞ頷きけり。
否よ、出身の近畿大学相撲部の
故・伊藤勝人監督の力添へとも思ひけり。
奇跡ともいへる不思議なる優勝なり。