新編・伊勢物語 第千三百九十二段 ノオト『雑記万巻』 星原二郎第千三百九十二段 ノオト『雑記万巻』 昔、男ありけり。今も男あり。 その男令和元年十二月の下旬 来年に使用予定のノオトを贖ひ 歌を わがノオト 『雑記万巻』 幾冊や 森のふくろふ 笑ひゐるらむ と詠みけり。 下の句はその男の尊敬する一人である 明治期の民俗学者の 柳田国男大人(うし)の『遠野物語』の序の最後に 記されてゐる歌の 【おきささび飛ばず鳴かざるをちかたの 森のふくろふ笑ふらんかも】 の本歌取りなり。