新編・伊勢物語 第千三百六十五段 棄老伝説と三人の母 星原二郎第千三百六十五段 棄老伝説と三人の母 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年十一月二十四日 丹後の国は与謝野町にての 第8回蕪村顕彰全国俳句大会に 前書き俳句の部に次の句を (前書き)冠着山の麓の温泉宿にて 名月や 実、育て、義理の 母健在 事前に提出し臨みけり。 句の心 或る女人 齢六十にならむとするに いと珍しく三人の母 あれば 棄老伝説とは真逆の状況により 生まれたる作なり。 而して、この句も選に漏れ 悔しき思ひをいだきけり。