新編・伊勢物語 第千三百三十段 旅を栖として 星原二郎第千三百三十段 旅を栖として 昔、男ありけり。今も男あり。 その男令和元年十月の或る日 北陸への旅にありて 松尾芭蕉翁の名著『奥の細道』のゆかりの地を 訪ね歌を 今のわれ 芭蕉翁(おきな)と 心境は 同じと思ふ 旅を栖とす と詠み 境涯は似たれども 其の至りたる境地は 遥かに遠く及ばざりしと敬意を深めけり。