新編・伊勢物語 第千三百段 炎天下の狛犬殿 星原二郎第千三百段 炎天下の狛犬殿 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年九月上旬 連日 残暑の続く中で 或る神社に参拝し 鳥居の内の本殿前に 鎮座の狛犬殿に思ひを 寄せて歌を 炎天下 狛犬殿も 暑からむ 水を召しませ 休みとりませ と詠み 石製なれども擬人化し 守護獣の狛犬殿に親しみの念を深めけり。