新編・伊勢物語 第千二百九段 雲雀の声に夏を感じて 星原二郎第千二百九段 雲雀の声に夏を感じて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和元年五月 碧南に友を訪ねけり。 その友と見頃と聞きて、油ヶ渕遊園地の花菖蒲園へと 向かふ途中 麦畑より 久しぶりに雲雀の鳴き声を聞き 歌を 畑より 舞ひ上がりては 鳴き止まぬ 雲雀の声や 夏は来るらし と詠み 自家用車に常備の双眼鏡にて 姿を追ひつつ聞き惚れけり。