新編・伊勢物語 第千百八十一段 分身の術 星原二郎第千百八十一段 分身の術 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和元年の五月の連休最中 珍しく行事予定が重なり合へども 身体は一つしかなく断念したれば 歌を 忙(せは)しければ 悟空髪の毛 抜き取りて 分身を持つ 術(わざ)をと願ふ と詠み 現実不可能なれども かかる事を願ふほど事態は珍しき事と思ひけり。 悟空とはもちろん、孫悟空のことなり。