新編・伊勢物語 第千百四十七段 イチロー讃歌 其の弐 星原二郎第千百四十七段 イチロー讃歌 其の弐 真剣を バットに替へて 馬(め)手高く 掲ぐる打席の 姿たももし 勝負師の 眼差しをもて 大男の 投手と対ひ ひるむことなし 腕(ただむき)は 丸太の如き アメリカの 選手にまじれば 撓ふ竹に似る 盗むとは 悪しきことなれど 野球にては 盗塁もまた 勲(いさを)のひとつ