第千百四十四段 母と孫の輪廻転生
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十一年三月二十三日の
NPO法人 日本詩歌句協会が主催の
第十三回中部大会の短歌部会に
次の作品
たらちねの 母の命の 命日の
霜月の今日 初孫生まるる
を事前に提出し臨みけり。
歌の心はその男の母親の命日の
十一月二十七日は偶然ならず
初孫の誕生日となり
輪廻転生の思想を肯ひけり。
なほ「母の命」とはあまり聞かぬものなれども
母を敬ひていふ称なり。
而して、第十三回中部大会の短歌部会にては
佳作の賞をいただきけり。
されどもその男の願望は佳作賞ではなく
その上の賞である特選、選者賞、入選なれば…
悔しき思ひ、少なからずいだきけり。