新編・伊勢物語 第千三十五段 四十年前の出来事 星原二郎第千三十五段 四十年前の出来事 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の或る日 突如として遠き昔の 中学の時の先生の発言の意味を 漸くにして理解し頷きければ 歌を 思ほへば 四十年(よよとせ)前の 出来事の 今し腑に落つ み教へたりし と詠み 今さらなれども 中学の教師に 感謝を申し上げけり。 具体的には如何なる事かと申せば その男の恥ずかしき事柄にて 死ぬまで公表を控へけり。