第九百四十六段 「全然」の後の慣用語
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年八月九日の
知立立春短歌会の定例歌会に
「全然」の 後に肯定的 語句あるを
違和感持ちて 若者言葉聞く
を事前に提出し臨みけり。
歌の心は「全然」の後には否定的語句が続くのであるが
「全然良い」といふ大相撲の引退せし小錦関が
解説者として発言を耳にせしが初めてなれど
ハワイ生まれハワイ育ちなれば、致し方なし
と思ひしが、最近では普通に耳にする事態と至り
言葉は生き物にして時代とともに変化するとは
知りしかど今もなほ違和感あるば
生まれたる作なり。
しかして歌会での評価は、全作品十五首
三位の高き評価をいただきぬ。