新編・伊勢物語 第九百十七段 横綱貴乃花 星原二郎第九百十七段 横綱貴乃花 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、相撲を好めり。 大相撲中継を楽しみて観戦せり。 平成十五年 貴乃花引退の知らせを 聞きて歌を 惜しまれて 引きゆく時こそ 花なれや 鮮やかなりき 横綱貴乃花 永く永く 名誉は賜杯に 刻まれて 名横綱と 語り継がれむ 一身に 相撲協会の 屋台骨 背負ひ支へ来し 貴乃花かな と 詠み 引退を惜しみつつ 決断を尊重せり。