新編・伊勢物語 第九百八段 母の葬儀 星原二郎第九百八段 母の葬儀 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、四十一歳の折にたらちねの母を 静脈瘤破裂にて喪ひ、葬儀の折に供養にと 挽歌を 若き日の もんぺ姿の うつしゑは いくささなかか 凛々しかりけり 花の如き 笑顔を見せて ふるさとの 遠き昔を 語りし母よ たらちねの 母の葬りに ふりあほぐ 白梅の花に 光そそぐも と 詠み捧げけり。合掌。