新編・伊勢物語 第八百九十六段 市原稲荷神社参拝 其の参 星原二郎第八百九十六段 市原稲荷神社参拝 其の参 境内の 紅梅白梅 盛りなり 春浅くして すがしき朝 本殿の かたはら大き 奇し御玉 「稲荷の玉」に 触れて祷らむ 奇し御玉 「稲荷の玉」の 御由緒は 定かならねど 霊験あらたかといふ 家康の 母の生家の 刈谷城 亀(き)狭山(さやま)近く 静けき神籬 思ひがけず 種田山頭火の 句碑ありて 「菜の花の」句を しみじみと読む と 詠み 市原稲荷神社を罷り出でけり。