新編・伊勢物語 第八百八十七段 大蟇 星原二郎第八百八十七段 大蟇 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、二見が浦の帰り道、田中の田舎道を通りけり。 あるところに差し掛かり、車道のほぼ真中を大蟇(おほひき) 道路横断中なれば、歩行者ならぬ歩行動物優先と 心得、道を譲り 歌を 大蟇が 道悠々と 渡りゆく 歩道ならねど 停まりて譲る と、詠み ヒキガエルだけに、遅き歩みなれども 急ぐ所用などなければ、携帯電話のカメラに撮りて 待ちけり。